Arrows の日々をお届けしています。
昨日の「ドライブシャフト インボード オーバーホール後の状態 ①」の続きですよ。 内部をチェックするため綺麗に洗浄しましたよ。
「OH後約 40,000㎞走行したインボード(左側)」の写真です。 ケース内側やインナーにご覧のようなフレーキングと呼ばれるキズ(剥離)が出来ていました。 ケージ(リテーナー)の外側の摩耗が進んでいました。
「OH後約 40,000㎞走行したインボード(右側)」の写真です。 ケース内側やインナーには写真では確認できない小さなフレーキングと呼ばれるキズ(剥離)が出来ていました。 ケージ(リテーナー)の外側の摩耗が進んでいました。
「OH無し約 20,000㎞走行したインボード(右側)」の写真です。 ケース内側やインナーにご覧のようなフレーキングと呼ばれるキズ(剥離)が出来ていました。 ケージ(リテーナー)の外側の摩耗はそれほど進んでいません。
ベアリングは正確な取付け適切な潤滑を行って使用しても、ある期間後には使用に耐えられなくなります。 写真のようなフレーキングと呼ばれるキズ(剥離)は、繰り返し圧縮荷重を受けてその表面が剥がれ る現象で、ベアリングの寿命はこのフレーキングが出来るまでとされています。
一方、潤滑油膜が良く形成されるように粘度を高くするなど、潤滑方法を改善することでフレーキングの発生を遅らせることが可能です。
そこで、もう一度上の写真を見てみると・・・同じ右側で使っていた「OH後約40,000㎞のインボード(右側)」と「OH無し約 20,000㎞のインボード(右側)」では、明らかに「OH後約40,000㎞のインボード(右側)」のほうが良いコンディションを保っていることが分かります。 これは潤滑方法を改善(グリスの変更)したためと考えられます。
同じ時期に OHした「OH後約40,000㎞のインボード(左側)」と「OH後約40,000㎞のインボード(右側)」でも、「OH後約40,000㎞のインボード(右側)」のほうが明らかに良いコンディションを保っています。 同じグリスを用いて同じ走行距離を走っているにも関わらずこれだけの差がついたのは、右回りのサーキットを走る機会が多く左側のドライブシャフトに負荷をかけて走っていたからだと考えられます。
以上のことから、インボードを OHして高性能なグリスに入れ替えることはベアリングの寿命を延ばすという点で効果はあるものの、左右で寿命の差が出てしまうということが分かりました。
そこで今度は「OHした左側のインボードはどれくらいで寿命を迎えるのか?」ということになりますが・・・長くなりましたので、続きは「ドライブシャフト インボード オーバーホール後の状態 ③」でご紹介したいと思います。
スポンサードリンク